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お金に苦労する6つの性格

『なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?』


お金とはその人の考え方が大きく投影された成果物、とも考えられる。


良い思考がお金を増やし、悪しき思考はお金を失わせる。


私が3000人のお金習慣を分析してきたなかで、次のような性格の人や行動を繰り返す人は、お金に苦労していることが多い。



暗い人……私たちの身の回りには怖いことがいっぱいある。
だから、自分の頭の中をコントロールできずに、たえず悩んでいる人は自然と暗くなる。逆にそれに果敢に立ち向かえる人は明るくいられる。



片付けができない人……混乱を整理できない人は片付けも下手。
前にも書いたが、机の上、引き出しの中、車のトランク、冷蔵庫の中などを見れば、その人のお金との相性が分かるものだ。



ドカ喰いをする人……欲望をコントロールできない人は散財する。
その典型例が食欲である。食欲に抵抗できない人は、お金の魔力にも翻ろうされてしまう。



酒にのまれる人……酒を飲みすぎれば、脳細胞は破壊される。 思考を失った人間はコントロールを失う、というよりも、自分をコントロールするなんて気持ちすらおきない。



カッとなる人……人は感情的に反応することで思考を省略する。
感情を爆発させることで、冷静に考えることをやめてしまうのだ。怒り→衝突→不信→自己嫌悪のサイクルで、人生はみじめなドラマに仕立て上げられてしまう。



すぐに落ち込む人……軸がないと人は小さな揺れにもすぐへたってしまう。信じること、辛抱すること、待ち続けることなども、資産形成に必須の行動である。



いかがだろうか? こんな振る舞いをする人は、まず自分の行動パターンを壊すことをおすすめする。
お金に苦労する人は同じような振る舞いをするが、振る舞いを修正することでお金との相性も良くなってくること請け合いである。



お金を呼び寄せるのは「あなたの心」であり、お金がくつろげる場所は「愛情」なのだ。
心ない行動からお金は、一目散に逃げて行く。


PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル
著者:ファイナンシャルドクター 北川邦弘

厚生年金基金廃止の方針 年金は一体どうなる?

年金制度の「3階部分」といわれている厚生年金基金、今後10年を目処に廃止することが発表されました。私たちの大事な年金がまた大変な事になっています。


厚生年金基金とは、年金制度の「3階部分」、つまり「1階」である国民年金、「2階」である厚生年金の上にある、さらに追加された部分の年金です。

厚生年金基金の加入対象は会社員であり、自営業者の方は関係ありません。会社員が全員加入しているわけではなく、厚生年金基金は業界ごとで運営され、希望する企業だけが加入します。加入している会社の社員は原則全員が加入になり、厚生年金基金加入者数は、全国で約700万人といわれています。

これまで1社でも厚生年金基金に加入している会社に勤めたことのある人は、今回の廃止で何らかの影響を受けることになります。


|保険料は余分に払っている?

厚生年金基金に加入している場合、厚生年金にプラスして何か余計に払っているのでしょうか? 支払いの額は厚生年金だけの場合と比べて変わりません。保険料は以下のようになっています。

厚生年金基金加入の場合の支払い額=厚生年金保険料(減額)+厚生年金基金掛け金=厚生年金のみの場合の保険料

このように、厚生年金基金に加入している場合は、加入していない場合と同じ額を天引きされます。それが減額された厚生年金保険料と、厚生年金基金の掛け金に分割されるような形になります。厚生年金基金掛け金の部分を、代行部分といいます。

これに加えて基金に加入している場合、企業(事業主)がさらに上乗せで掛け金を負担します。

運用資産=厚生年金基金掛け金(代行部分)+事業主上乗せ分

厚生年金基金では、運営者がこれらを運用して利益を出し、加入している個人が退職後により多くの年金をもらえるようにすることを目指していました。



|「代行割れ」続出で廃止を発表

厚生年金基金は代行部分を運用し利益を出すことで、将来年金の額を増やさなくてはなりません。しかし、株や債券で行う運用は、いつも利益が出るわけではなく、損を出すこともよくあります。

運用で損を出し、資産総額が代行部分の金額を下回ってしまうことを「代行割れ」といいます。今年2012年7月の調査では、全国572の基金の半数にあたる286基金で代行割れが発生していたという衝撃の結果が出ました。現在、代行割れしている金額を全て合わせると、1兆1000億円分にもなるともいわれています。

このような厳しい状況に加えて、今年2月に発覚したAIJ投資顧問年金消失事件もあり、政府はついに厚生年金基金制度の存続自体に意味がないと判断し、廃止すると発表しました。


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主婦のパート「扶養範囲内がお得」は本当?


主婦のパートを考える時に、よく言われるのが103万円や130万円の壁。この収入を超えたら、本当に損をするのでしょうか? 実際に計算してみると、意外な結果になりました。

子育てがひと段落すると、働くママが増えてきました。教育費などがかかるようになり、家計の収支を考えると専業主婦より有利になります。主婦が仕事を再会するのは、ライフイベントの中でも大きなポイント。その後のライフプランニングも大きく変わってきます。

この主婦が働く時によく言われるのが「扶養の範囲」で働くということ。本当にこの範囲で働くのが一番いいのでしょうか? 標準モデルケースで試算してみたいと思います。


|配偶者控除が受けられるのは、103万円以内

まずは「扶養の範囲内」で働くということをおさらいしましょう。まずは、税金でいう「扶養」を考えてみます。この場合は、ご主人の税金を計算する時に配偶者控除を受けれるかどうかということ。つまり、ご主人の税額(所得税・住民税)を専業主婦の時と同じ額に抑えながら働くということです。

この配偶者控除を受けられるのは、配偶者のお給料が年間103万円以下のときです。つまり、主婦のパートを年間103万円以下のお給料におさえておけば、ご主人の税金は配偶者控除を受けることができ、税額が増えないということ。

この103万円というのは、給与所得控除(65万円)と基礎控除(38万円)を足したものです。ここで注意したいのが、配偶者の仕事がパートなどでなく自営などの事業の場合。給与所得 者控除はありませんので、基礎控除の38万円のみとなります。つまり、配偶者(主婦)が自営業など給与所得 者でない場合は、年収38万円以下でないと配偶者控除が受けられませんよ。


|社会保険(年金・健康保険)は130万円がライン

もうひとつ忘れてはいけないのが、社会保険でいう「扶養」。社会保険とは、年金や健康保険などの社会保険のことです。サラリーマンの妻は、ある収入以下であれば、健康保険の被扶養者になっています。

その額は「年収130万円」。年収130万円を超えると、夫の被扶養者からはずれ、自分で健康保険に入る必要がでてきます。

年金も同じように、年収130万円以下だと第3号被保険者となり、国民年金の保険料を納めなくていいのです。なので、年収130万円を超えると、健康保険や年金の保険料を自分自身で払わなくてはいけなということ。

保険料の自己負担はかなり大きなものになります。だいたい年収の1割は、社会保険料として負担しなくてはいけません。勤め先で健康保険や厚生年金に加入出来ればまだいいですが、そうでないと国民健康保険や国民年金に加入することになり、その負担額は更に増えるでしょう。

このように、103万円や130万円の壁がでてきました。では主婦が働く時、年収をどれくらいにすると一番お得 なのでしょうか?

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著者:ファイナンシャルプランナー ライフプランナー 福一 由紀

これからの主婦の働き方と、税金、社会保険


消費税増税、電気代アップ、年金問題と家計状況が悪化する兆しが見える中、こどもにかかる教育支出は年々増加傾向にあります。子育て世代においても、老後資金等将来のお金について不安を感じる人が増えています。

小さいお子様がいらっしゃる専業主婦世帯のキャッシュフロー表を作成すると、世帯主が40~50代の子供の教育費がかさむ時期から収支が赤字、貯蓄額が減少して老後資金が不足するケースが多く見受けられます。「世帯年収と学年別教育費支出」をグラフに表すと子供が小学校高学年から高校にかけて教育費負担が大きくなるのが分かります。

将来の収支をプラスにするため、現状のライフスタイルを変えず家計支出を見直したり、資産運用を試みたりする方法もありますが、キャッシュフローを改善するために最も効果があるのが"妻の収入を増やす"という選択肢です。

今後予定されている"パートに対する社会保険適用拡大"や"配偶者控除の廃止案"等、一昔前までは普通であった専業主婦に対する優遇策が縮小傾向にある中、将来の豊かな暮らしを実現させるためには"主婦の働き方"が大きく影響してきます。多様化する"主婦の働き方"、について考えてみましょう。

|主婦をとりまく現状について

(1)130万円の壁

"130万円の壁"が引き下げられます。厚生年金への加入基準を、週あたりの労働時間30時間から20時間へ引き下げ、年収も現状の130万円から94万円まで下げて、厚生年金加入者を増やそうという案で2016年4月に施行が検討されています(3月13日時点案)。加入基準に該当すれば、お給料から保険料の支払い負担が発生し"手取り収入"は減りますが、"将来の年金額"は増えることになります。

企業規模などにもよるため不明確な部分はありますが、施行が決定すれば、今後どういう働き方をするのがご自身や家計にとってベストなのかを改めて考える必要がありそうです。

現状では、収入が130万円を超えると社会保険料が差し引かれるため、150万円程度収入がないと手取額が増えないという理由から130万円以内に就業時間を調整するケースが多いようです。基準が94万円に下がれば現在100万円前後の収入がある人は、保険料の負担が発生しますが、将来支払った分に応じた厚生年金を受け取ることが出来ます。

どちらが損か得かは判断しづらい点はありますが、現状必要な収入額と、将来受け取れる年金額とのバランスを考慮して働き方を考える必要があります。

(2)配偶者控除の廃止案&103万円の壁について

平成23年より、幼年扶養控除(16歳未満の扶養控除)が廃止、特定扶養控除(16歳~19歳未満)も縮小され、"配偶者控除"についても見直しが検討されています。

現状では、妻の収入が103万円以内だと本人の収入には所得税はかかりません。また、夫の収入が1,000万円(給与年収1,230万円)以下の場合、夫の所得から配偶者控除として38万円分差し引くことが出来るという税制メリットがあります。また、企業が定めている配偶者(家族)手当等の基準も103万円に準じているところが多いため、103万円を超えると"配偶者手当てがストップする"可能性もあります。

"配偶者控除"が廃止になった場合、企業の配偶者手当がどうなるかは定かではありませんが、これまで程103万円の壁に固執する必要がなくなります。

子育てとのバランスで思い切り働けないという方が多いという現状もありますが、配偶者控除廃止により、意欲のある人が収入を抑制することなく正社員を希望したり、キャリアアップを目指したりする後押しになる可能性もあります。

|これからの働き方


(1)雇用されるケース

家庭や子育てとのバランスを考えながら主婦が働く方法として、今後2つの選択肢が考えられます

A・仕事量をセーブして 税金や社会保険のメリットを活用する

B・社会保険や税制面でのメリットなどにとらわれずボーダーラインを越えて働く

主婦への優遇策が削減傾向にあるなか、どういう働き方をするのがベストかというのはその方の環境や考え方によって違うでしょう。ただ、個人ベースではデメリットも大きいですが、この優遇策がAのように"女性の社会進出を妨げる要因になっている"ということも考えられます。

(2)自営業として働く方法

自営業の場合、雇用されるわけではないので130万円の壁は関係有りません。所得(売上-経費)が38万円以内であれば夫の扶養に入ることも出来ます。収入が増えて扶養からは外れると、個人事業主として国民年金、国民健康保険に加入する義務が発生します。

最近は、趣味から始まったパン作りやネイルアートなどを極めて教室を開いたり、ネットを活用して商品を販売したり、資格取得などで技能を身につけて独立開業したり、といった"プチ起業"を目指す主婦も増えています。自宅で開業出来るため、子育てとの両立がし易いというメリットもあります。

主婦を取り巻く"労働環境"は、今後も変わっていくことが予想されます。女性が思い切り働くには子育てや介護の環境が整っていないという問題点もありますが、長い人生、税制や社会保険等の金銭面だけにとらわれず"やりがい"や"楽しみ"など自分自身の"キャリア形成"に重点を置いて仕事にチャレンジすることも必要なのではないでしょうか? 


今一度、ご自身の働き方についてじっくり考えてみませんか?

ソース→ LOAN GINZA マネーコラム
著者:ファイナンシャルプランナー、キャリアカウンセラー 合田 菜実子


副業を事業化して「無税の人」になる!


副業の事業化


サラリーマンでありながら37年間所得税も住民税も払っていない著者が、そのカラクリを明かした『「無税」入門』という本が話題になっている。

「納税は国民の義務」なのは知っていても、年々負担は重くなり、有無を言わさずに源泉徴収されてしまう税金は、日本のサラリーマンにとって癪のタネである。


『「無税」入門』のカラクリはシンプルだ。著者は、サラリーマンとして会社から給料(年収500万円)をもらう一方で、趣味で行ってきたイラスト販売を事業として申請。

年間売り上げは50万円程度だが、そこに賃貸住宅の家賃や光熱費、通信費を必要経費として計上し事業所得を赤字にする。

給与所得の黒字と事業所得の赤字を損益通算すると、サラリーマンとして納めた所得税と住民税が確定申告で還付されるというものだ


ただ、注意すべき点は、副業が税務署に雑所得と判断されれば、給与所得の黒字と損益通算できなくなること。

あくまでも「イラスト販売は事業である」と主張しなければならないのだ。しかし、そんなにうまくいくものだろうか? 専門家に意見を聞いてみた。


「この本で紹介されている無税のしくみは昔から知られていた。ただ公言すると税務署に目を付けられるから、多くの人がひそかにやっていたのでは」

と税務、財務、経営に関するコンサルティンググループMMIの代表取締役であり、税理士の高橋節男氏は言う。


「この著者は、年収がそれほど高くなく、税務署のお目こぼしの範囲内だったから税務調査が来なかっただけでしょう。調査が入れば経費を厳しく査定されて税金ゼロにはならなかったかもしれません。万が一、租税回避と認定されれば過去に遡って修正申告させられる」

では、サラリーマンのイラスト販売は本当に事業所得として認められるのか。


「雑所得と判断される可能性はあるけれど、『本業はイラストレーターだけど、売れないので仕方なく会社員で食っている』と強く主張すれば税務署も事業と認めざるをえないでしょうね」


判断の分かれ目は、いわば「ストーリー性」であると高橋氏は指摘する。


「37年間売れなくても、何か芸術など趣味的な業種であるイラストレーターや作家や漫画家を名乗れば税務署も納得する可能性がある。でも物品販売だとしたら、なぜ37年間も売れない商品を扱っているのかと突っ込まれるでしょう」

結局、線引きは曖昧なのだ。この本の著者と同じことをしても、誰もが事業として認められて無税になるわけではない、と高橋氏は語る。


「サラリーマンが副業を事業としてやるなら、まずは儲けてきちんと税金を払うことを考えたほうがいい。事業で赤字を出すということは損をしているということで、どのみち長続きはしませんよ」


PRESIDENT
著者:フリーライター 山本信幸

アラフォー転職で「給料が上がる人」の法則

アラフォー世代以上の転職はキャリアアップのためよりも、買収による人員削減など、会社の状況変化によって転職を余儀なくされたケースが多い。
年収も下がるケースがほとんどで、前職より下がらなければ成功の部類といえるだろう。

 現在は年収800万円を確保するのが本当に難しい時代。
英語が堪能な外資系企業の人材が、他の外資に横滑りするような場合は40代でも1000万円以上の 年収を維持できるケースがそれなりにある。
しかし普通の日本企業がこの世代の人材を採用するには誰かが辞めてポジションが空いていることが前提となるが、 その動き自体が減っている。

例えば、40代半ばの大手企業の人事部長(年収約1000万円)が合併による人員整理で現在求職中だが、年収600万円程度ま で下げてもポジション自体がない。
高給で採用されてもすぐリストラという例もある。

例えば、2年ほど前、海外のMBAホルダーなどを含め、人材によっては2000万円超の高給で大量採用し ていた外資系の大手販促会社が、現在、社員の8割をリストラしている。
基本的に40過ぎたらできるだけ転職よりいまの会社へしがみついたほうがよい。次が 決まっていないのに辞めるなどもってのほかである。

むろん比較的うまくいったケースもある。

例えば、ある企業でアジア地域の責任者を務め、業績給も含め年収1300万円を得ていた40代後半の人材。帰国の 打診を受けたが、本人はまだアジアで仕事をしたいと考えていた。
理由は仕事面に加え、現地の税制面の有利さや物価の安さにあった。
要するに給料据え置きの まま日本に戻ってくると、収入が目減りし生活水準も下がってしまう。彼は結局、他の中堅企業に転職し、これまでの経験を活かしアジア進出の立ち上げ責任者 に就任して、そのまま現地で働き続けることになった。

年収はやや下がったものの、各種手当や海外責任者として交際費枠を与えられ、何より「アジアで仕事を 続けたい」という希望がかなえられたのだから成功例と言える。
アジア諸国で実際に複数回の事業立ち上げを経験した彼は、「ぜひ欲しい人材」だったのだ。

いま、中国のみならず、インド、ベトナム等のアジアビジネス経験者に対するニーズは高いが、新規立ち上げなど、かなりの激務を覚悟しなくてはいけない。大 手企業で欧米での駐在経験がある人材は転職市場に多く出ているが、いま欧米は景況が厳しく、求められるのは事業の立て直しができるような人。そんな人材は ほとんどおらず、需給のバランスが合っていない。

ほかにニーズが高い職種としては「法務」がある。
グローバル戦略をとる新興ネット企業では、国を越えた係争が日常茶飯事なので英語力の高い法務が不可欠で ある。が、そんな人材が在籍しているのは大手メーカーであったりしてネット業界とはあまり縁がなく転職したい人も少ない。もし転職希望の人がいれば待遇 アップも可能だろう。

また、オーナー企業が二代目へ事業承継するときに、新社長が「番頭」として40歳前後の財務部門出身者やITを理解している人材を採用したいというニーズも見られる。この場合の年収相場は800万~1000万円程度であろう。

5、6年前と比べて管理職に求められるスキルは広くなっている。
今後、さらなる人員整理の波が避けられないと考えると、マネジメント能力もあって、かつ英 語力や実務能力も高いプレーイングマネジャーが求められる。
まずは社内で自分にしかできない仕事をつくり出すくらいの努力をし、社内の実力者とよい関係を 築いておくことも大切だ。
メールで仕事発注ができる程度の英語力はいまからでも身につけたほうがよい。
SNSなどIT系の流行に関する情報も押さえておく べきだろう。

PRESIDENT
著者:キープレイヤーズ代表取締役 高野秀敏

なぜお金持ちは紙袋を持つのか?

みなさん、お金持ちの男性はどんなバッグを持っていると思いますか? 
セレブ必携のゴヤール、それともエルメスのオーダー?

ある地方都市で、お金持ちの男性にご馳走になる機会があった。
資産200億円、地元の名士で上場企業の一族、しかもどこでも顔がきく人。
しかし手には紙袋……それも誰かがお土産を入れて持ってきたような、クシャクシャのお菓子の紙袋だ。

後日東京に戻ってその話をしたら、一緒にいた女性たち(バブル世代のキャリアウーマンで、たくさんのお金持ちを知っている)が「そういえば、XXさ んも紙袋、○○さんも」と、いかに多くの有名なお金持ちが『紙袋』を愛用しているかが判明したのだ。
その後、資産家で有名なお医者さまに会ったら、やはり 彼も紙袋。お金持ちはなぜ紙袋を好むのか? 
彼らは紙袋で移動してもOKだからだ。
運転手付きの車、タクシー移動とドアtoドアで雨にも濡れない。
だから 紙袋でも平気なのだ。

また飛行機も「お金持ちはエコノミークラスに乗る」。ある資産家男性のグループは海外にもエコノミーで行く。
しかし一本何十万のヴィンテージワインをたくさん詰めてきて、同行の人たちに気前よくご馳走してくれるのだそう。

地方の資産家の息子と結婚した女性は、帰省はいつも新幹線の自由席。
ときには子連れで立ちっぱなしもあったそう。
前述の地方の名士は、以前は「のぞみ」よりも、安い「ひかり」に乗っていたという。

本当のお金持ちは時間があるので、のんびり行けばいいのだ。

『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』という本にある「ビジネスの成功者」の話でも、本当のお金持ちは実はエコノミークラスや新幹線の自由席にいるのだ。

「海外ではいい時計や靴がセレブの証だ」というけれど、本当のお金持ちにとって、それも無意味らしい。
なぜなら予約の際すでに彼らの身分は割れてい る。
お金持ちは決して粗雑に扱われないルートで予約するし、定宿は決まっている。
一流ホテルとなれば、常連の顧客の顔を覚えていないわけがない。
安い時計 にスーパーで買ったシャツでも、彼が歓待されるのはそういうわけがあるのだ。

ファッションからも彼らがお金持ちか否かはわからない。

あるとき友人の会社が出店している介護フェアのお手伝いをしていたら、ジャンパー姿に運動靴の60代後半ぐらいの夫婦がやってきた。奥から社長である友人が飛んできて頭を下げている。

「世田谷の大地主で、高級介護施設をいくつも持っている方なのよ」

どこからどう見ても、年金で地味に暮らす普通の老夫婦に見えた。本当にお金持ちは外見ではわからないのだと実感した出来事である。

またお金持ちはブランドショップにもいない。
ものを買うなら知り合いから少しでも安くものを買うのが基本だから。ダイヤなら卸元などから直接買う。
「大き 目の石をルースで買って、自分で指輪にするのが一番投資効率がいい」などという。

また高級ブランド店には、店頭にわざわざ出向かなくてもいい裏ルートが必 ずある。

さらにお金持ちは「ブラックカード」や「プラチナカード」も持たない。「ゴールド」ですらいらないという。「年会費がバカ高くてもったいない、普通のカー ドで十分」なのだそうだ。必要な局面ではコネがあるので優遇されるし、不必要な場所で自分がお金持ちであることを、ことさら触れまわるのはリスクが大き い。

なんてケチなのかしら。
これを読んで、呆れているかもしれないが、彼らは「お金を使うところ、使わないところのメリハリがはっきりしている」だけなのだ。 ブランドバッグは必要なくても、友達を喜ばせるヴィンテージワインを気前よく開ける。ランチは1円まで割り勘でも、慈善事業に多額の寄付をしている。代々 資産家の彼らにとってお金はあって当たり前、それに振りまわされない独自の価値観がしっかりあるのだ。そのメリハリを「ケチ」と嫌うようでは、とてもお金 持ちの妻にはなれないだろう。

年末のパーティに招かれた友人は、二次会へ近距離移動のときこんな経験をした。

「大丈夫。近くだし。運転手さんお願いしますね」

大きなダイヤを着け、フォーマルドレスとタキシード姿の大人10人がタクシー2台にわかれ、ぎゅうぎゅう詰めになってワンメーターの距離を乗ったのだ。

「さすがに呆れた。でもこれが本当のお金持ち。見習わないとお金なんて貯まらない」

そのとおり。
見栄を張るから無駄な出費も多い。
本当のお金持ちは絶対に見栄を張らない。

なぜなら彼らは「お金持ち」であることを人に知らせる必要がないのだから。

PRESIDENT BOOKS
著者:白河桃子

お金持ちが結婚に求める5つの条件

億万長者たちの多くは結婚している。独身は少ない。というか結婚して良き伴侶を得たことで億万長者になれた、と言い切る大金持ちがほとんどなのだ。

アメリカの資産家研究の第一人者トマス・J・スタンリー博士は、その著書『なぜ、この人たちはお金持ちになったのか』の中で、「この5つがなければお金持ちになれない」という条件のうちの一つが「結婚」である、と述べている。

スタンリー博士はニューヨーク州立大学教授で、ほかに『となりの億万長者』『女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則』など、お金持ち研究に関する著書を多数書いている。そんなスタンリー博士が掲げている「億万長者の必須条件ベスト5」をここで紹介しよう。

■誠実~誰に対しても正直であること
■自己鍛錬~自分で自分をコントロールすること
■社会性~人とうまくやっていくこと
■配偶者の支えがあること
■勤勉~ふつうの人より一生懸命に働くこと

これはアメリカ人を調査したものなのだが、億万長者というイメージからはかなり遠く、何とも地味であり平凡で、面白みのない指摘かもしれない。しかし、じ つは私はこのスタンリー博士の分析にまったく同感なのである。小金持ちや相続による土地成金は別として、この5要素を欠いた資産家に出会ったことがないの だ。

さらに億万長者たちからのヒアリングで、意外なほどに質素な大金持ちの実態が明らかになった。億万長者たちが配偶者となる人に最初に出会ったときに心を惹 かれた資質の上位5つは「知性的で、誠実で、明るく、信頼でき、情愛豊かなところ」だというのだ(実に当たり前のことばかり)。

将来億万長者になる人たちの良き伴侶選びにおいては、お金や経済力は優先事項ではなかったということは意外だが、じつは女性が男性を選ぶときには、これら5つの要素に加えてプラスアルファがあった。さすがに女性は、男性の金銭力をまったく度外視していたわけではない。

結婚後に億万長者となった男性の妻たちが、先に挙げた5つの資質のほかに惹きつけられたプラスアルファとは、その男性が持つ「野心的でしかも高収入を得る 能力」だった。女性たちは、パートナーの男性の将来的な潜在能力や可能性をチェックしていたのである。また5人のうち4人の女性が、「相手が結婚前から裕 福であるかどうか」は重要なポイントではなかったと答えているのだ。

億万長者の妻たちは若い頃、夫の収入が低いからといって離婚しようなどとは夢にも思わないし、良いときも悪いときも、たとえわずかな収入しかなくても、夫婦で頑張ってきたからこそ億万長者になれたのだと、スタンリー博士は紹介している。

また、もし経済力という観点から結婚相手を選ぶなら、「資産」を取るのか「収入」を取るのか、選択肢は二つに一つしかないとのスタンリー博士の指摘も、と ても示唆に富むものである。資産運用を考えたことのない若い人にはピンとこない表現かもしれないが、「将来のストック」と「現在のフロー」は似て非なるも のだということを、人間はたくさんの失敗を重ねてやっと気がつくのだった。

豊かな家庭を作る妻の条件とは?

成功する人生に内助の功は欠かせない。妻に必要なのは、節度のある金銭感覚。そして、夫に必要なのは野心と人間性というわけである。欲をいえばキリがない が、私がいろいろなご家庭を観察して得た教訓をさらに付け加えさせてもらうと、「良妻賢母」となるためのさらなる条件は次の3つとなる。

1明るいこと
2
楽観的なこと
3辛抱強いこと

こうした資質を若いときからたっぷり身につけているという人は少ない。しかし人間は死ぬまで学び続ける生き物だから、未完成でも考え方を良い方向に向けて 成長すればいいのだと思う。成長のためには、ときによって障害やハードルが必要であり、結婚生活においてもっとも貴重な修業の場は、何といっても子育てで ある。

子育てに関しては、最初は誰でも初体験。しかも、あるときからそれは闘いに変わり、葛藤と激しい喜怒哀楽に見舞われることとなる。子育てする親に、優等 生・劣等生の別はないし、採点する先生も学校もない。が、夫婦が力を合わせて、子どもの人生という作品を手伝っていく過程で、真剣に自分の未熟さに向き合 うこととなる。それこそが学びである。あるいは本当の修業なのだ。子育てを通して、夫婦は切磋琢磨して、自分の人間性を鍛えることとなり、それもまた億万 長者への道でもある、という人もいる。

この項のおまけとして、資産家になるための7つの法則もご紹介したい。スタンリー博士は、『となりの億万長者』という著作で、次のような7つを示している。

1.収入よりも、はるかに低い支出で生活する
2
資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率よく配分している
3
お金の心配をしないですむことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
4
社会人となった後、親からの経済的な援助を受けていない
5
子どもたちは経済的に自立している
6
ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ
7
ぴったりの職業を選んでいる 

少し意外に思える法則かもしれないが、自分の生活に照らし合わせて、参考にしていただきたい。

PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル
著者:ファイナンシャルドクター 北川邦弘  
 

 

自らの「コア」を確立するための「熱中時間」を創り出せ

意図せぬ「休暇」が天才を生む

 サイエンスライターの竹内薫氏の著作『天才の時間』(エヌティティ出版(2008年))をご存知でしょうか? マギル大学大学院の博士課程で高エネルギー物理理論を専攻した氏は、相対性理論や超ひも理論といった物理学の解説本を数多く著す一方、『99・9%は仮説 -思いこみで判断しないための考え方』(光文社新書)など、モノの見方・考え方に対する注意喚起を主眼とした著作も多く、冒頭の『天才の時間』もまた、そ んな後者の著作群のひとつです。

トーマス・エジソンは「天才とは1%のひらめきと、99%の努力である」と言いました。天才とは、「努力」の積み重ねの賜物に過ぎない、というので す。しかし、多かれ少なかれ、みな努力していることもまた事実です。では、天才と凡人、彼我の差はどこから生まれるのでしょう? 努力の「タイミング」や「仕方」に差があるに違いない、という仮説を持った竹内氏は、アイザック・ニュートン、アルベルト・アインシュタイン、スティーヴ ン・ホーキング、チャールズ・ダーウィン、シュリニヴァーサ・ラマヌジャン、グレゴリー・ペレルマン、マウリッツ・エッシャー、イマニュエル・カント、 ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン、カール・グスタフ・ユング、宮澤賢治、鈴木光司、北野武、という13人の天才たちの共通項を探ってみたところ、面白 いことに気がついたそうです。

天才には、不思議と共通して、「天才の時間」とも呼ぶべき「休暇」が存在する。


 ワークライフバランス(Work-Life Balance)が大切だ、ということ? 「休暇」を取らないと、良いアイディアは生まれない、ということ? いや、そういうつまらない話ではないのです。古今東西の天才たちの人生を振り返ると、人生のある局面において、幸か不幸か雑事から解放され、一つのことに 集中せざるを得ないような「熱中時間」が「天」から与えられているのだそうです。
この「熱中時間」のことを、竹内氏は「雑事からの解放」という意味で「休 暇」と呼んだのです。天才とは、「天賦の才(天が与えた才)」という意味ですが、天が与えるのは、実は「才能」ではなくて、ものごとに集中することのできる「熱中時間」である、というわけです。
言いかえれば、天から与えられたこの貴重な「休暇」を単なる暇つぶしに使ってしまうのが凡人であり、それを確実に掴み取って「熱中時間」にできる人が天才、ということかもしれません。

例えばアイザック・ニュートン。彼にとっての「天才の時間」は大学時代の20ヶ月。大学に在籍した当時、ロンドンでペストが大流行し、ケンブリッジ 大学も休校になり、仕方なく故郷に帰ります。そこからの20ヶ月、特にすることもないニュートンは、有り余る時間を「熱中時間」にあてました。まっさらな ノートに、最初は読んだ本の要約メモを書きこみ、少しずつ、そこに自分のアイディアを書きこみ、更にそこに計算を書きこみ、・・・、
この20ヶ月(1665~66年)の間に、なんと、彼が残した殆ど全ての理論、微分積分学、力学(重力理論)、光学、の「卵」を完成させたのです。

例えばアルベルト・アインシュタイン。彼にとっての「天才の時間」は大学卒業後の1年間。彼は教授から嫌われたため助手として採用してもらえず、友 人のコネで特許局に就職(1902年)します。仕事は午前中に全て片付いてしまうほどの量しかなく、午後は全く暇でしたが、暇なときに遊び歩くのでなく、 1年間、自分の理論についてずっと考えていたそうです。こうして「卵」を温め続けた結果、ついに、1905年「奇跡の年」が到来します。この年、特殊相対 性理論、ブラウン運動の理論、光量子仮説を発表し、光量子仮説では、後にノーベル物理学賞を受賞しました。

ワークでもライフでもない、第三の時間をひねり出せ


“日々の仕事に刺激がない。” そんな不平不満を耳にすることがあります。天から与えられた貴重な「休暇」に対し、そんな戯言をぼやいている自分を恥じましょう。「熱中時間」を創り出す 可能性を秘めた機会を目の前にして、不遇を嘆いている場合ではありません。

”Life is what happens to you while you’re busy making other plans.”
John LennonのBeautiful Boyという曲の一節です。

目の前で起きていることの素晴らしさを全力で楽しみ、「今」を懸命に生きてこそ、成功の「タネ」を掴むことができるのではないでしょうか?

“仕事に忙殺されて、「熱中時間」どころではない。”

そんな声も聞こえてきそうです。果たしてそうでしょうか?
我々は、アイザック・ニュートンやアルベルト・アインシュタインほどの世紀の大発見をしようというわけではないのですから、1年や2年もの長期「休暇」は必要ないのです。小間切れ「休暇」の積み重ねでよいのです。小間切れ「休暇」であれば、天から与えられるタイミングを待っていなくても、工夫と心掛け次第で創り出すことができるはずです。
毎日毎晩、「ワーク(仕事)」でアウトプットするばかりでは疲弊します。
「ライフ(私生活)」時間の確保は大切です。
しかし、「ワーク(仕事)」以外の時間が全て「ライフ(私生活)」ではインプットが不足し、知恵の泉が枯渇してしまいます。プロフェッショナルとしての成長は、「ワーク」でも「ライフ」でもない「熱中時間」を自ら強制的に創り出せるかどうかにかかっているのです。
私は、20代の駆け出しの戦略コンサルタントの頃、毎日、10分単位の 小間切れ「休暇」をかき集めては、ひたすらあらゆる業界・領域の本を読み漁りました。また、「ワーク(仕事)」を通じて学んだことを自分なりに体系化・整 理し続けました。残念ながら世紀の大発見には至っていませんが、当時の「熱中時間」が現在の私の「コア」を形成していることは間違いありません。

自らの「コア」を確立するための「熱中時間」を大切にしてください。

ワインは寝かせるとおいしくなります。
しかし、ただ単に寝ている(「ライフ」で埋め尽くしている)わけではありません。熟成して(「熱中時間」を創り出して)います。

「ワーク」と「ライフ」の二元論を超えましょう。
「ワーク」でも「ライフ」でもない時間にこそ神が宿っているのです。

文=企業再生支援機構 マネージング・ディレクター 田村誠一

なぜ「名店」はわかりづらい裏通りに多いのか

ハレの日の気分まで買うつもりかどうか


まず、名店とは何か。ここでは食べること自体が純粋に好きな美食家が集まる店、あるいは“通”が愛する店と定義しておこう。




そういった名店は、私自身の経験からしても、駅から離れたわかりづらい裏通りや住宅地に隠れ家的な形で存在していることが少なくない。なぜなのか。店の立地に関して、「裏通り」の反対といえば、最近なら六本木ヒルズや東京ミッドタウンなど「大規模商業施設」が代表といえるだろう。施設内のテナントとしての出店だ。



両者を比較してみよう。当然差が出るのは「場所代」である。裏通りなら地代や家賃は割安だし、場合によっては自分の土地建物だから家賃ゼロというケースもありうる。一方、大規模商業施設の場合、テナント料は売上高の何%という形となる。施設オーナー側も有名店には入居してほしいから多少割引するが、それ以外の店なら15%もの高率を要求されるケースもある。



高い家賃を払ったうえで利益を確保しようと思ったら、おのずと「客数はできるだけ多く」となる。それには多くの座席数が必要だ。座席数を増やせば、スタッフも当然増える。しかも、有名施設内となれば、サービスの質や雰囲気も問われるから、簡単に大学生のアルバイトを雇うわけにもいかない。結局、家賃だけでなく人件費も割高になるのである。



「家賃+人件費」を、飲食店を経営するのに必要な「固定費」と考えると、その比率が小さいほど食材費(料理の原価)に回せる金額は多くなる。



裏通りで店主ひとり、あるいは夫婦だけで切り盛りしているような店なら固定費は少なめで済むだろう。それだけコストを食材費に回すことができ、料理そのものが美味い店でありうる余地は広がるわけである。



裏通り店と有名施設テナントをモデルケースで比較してみると、家賃は8%対15%、人件費は30%対35%という数値が一つの目安になる。これを見れば、食材費に回せる比率がかなり異なってくることがわかるだろう。



裏通りで家族経営なら、人件費はさらに圧縮できる。店主=従業員だから、最悪の場合、店主のための利益を確保しなくても成り立つのである。たとえば夫婦で年間700万~800万円の人件費が計上できれば、それだけでも夫婦はまあ普通に生活はできる。従業員への支払いに要する人件費と店主のための利益とを区分して別々に確保する必要がない分、圧縮が可能なわけである。




一方、大規模商業施設内に立地して固定費が高い店の場合、オーナーのための利益を確保するために、原価を抑える一方で、料理の価格は高めに設定することになる。それでも東京の有名施設ともなれば全国や海外から毎日異なった客が大勢集まってくる。いわゆる一見さんだ。一見さんは「今日は結婚記念日だから」とか「○○のお祝いで」と、ハレの日としての需要が多く、高めの価格に対しても財布の紐は緩みがちだ。



しかし、このような大規模施設店の抱える事情や状況は、純粋に安くておいしいものを求める消費者側からすると、あまりメリットはない。




もちろん裏通りの名店も初めから遠くてわかりづらい場所を望んだわけではないだろう。家賃などの問題でそこで商売を始めざるをえなかったケースが多いはずだ。しかし固定費負担の少なさを、きちんと料理の質に還元したからこそ不利な立地条件にもかかわらず生き残り、結果として常連を抱える名店となったと言うべきなのである。



PRESIDENT 2010年5月31日号
文教大学准教授 横川 潤 構成=小山唯史